お菓子やケーキは経費になるの?可否や勘定科目を解説します。

経費について

来客時にお出ししたお菓子やコーヒー、お客さんのところへケーキを差し入れたなどは、事業に必要なものであれば経費として計上することができます。

では、どこまで経費に入れて良いのか?勘定科目はどれを使えば良いのか?
事業に必要とはどういう状況を言うのか判断に迷うケースも多くあると思います。

今回は、その判断基準についてまとめてみました。

お菓子代が経費になる場合、ならない場合

(1)取引先に送った贈答品、持参した手土産など
(2)お客様との打合せ時に提供したもの
(3)従業員の休憩用に用意しているもの

上記のものは基本的に経費になると考えられます。
(2)(3)は、個人事業主や経営者の方も一緒に食べてもOKです。

一方、経費にならないものは次のようなものです。

(1)個人事業主や社長ひとりだけの会社で仕事中に自分が食べるお菓子など
(2)普段自分や家族、友人と食べるお菓子など
(3)子供たちやその保護者(いわゆるママ友)との集まりで食べるお菓子など

 

利用すべき勘定科目

お菓子等の支出について仕訳する際に使用する勘定科目は、「交際費」「会議費」「福利厚生費」などがあるかと思います。

では、どのような勘定科目を使えば良いのか、大まかに分類してみたいと思います。

交際費(接待交際費)

交際費は、得意先や仕入先など事業に関係のある方々対する接待、供応、慰安などのために支出したものに対して使う勘定科目です。

具体的な例でいうと、お客様の事業所へ持参した手土産、お中元・お歳暮などの贈答品、レストランでの食事代などがあげられます。

会議費

会議費とは、会社の経営に関して行われる会議や打ち合わせの際に必要となる費用を言います。

商談のために借りた会場や作成した資料にかかる費用のほか、打合せの際にお出ししたケーキやお茶、ランチミーティングなどで出したお弁当なども会議費に含まれます。

交際費と迷われることが多い科目です。
例えば、お客様の事業所で打ち合わせをする際に持参したケーキ、打ち合わせを兼ねてレストランで食事をした場合は、交際費か会議費かで悩んでしまいます。

ここで特に飲食代についてよく言われるのは5000円基準です。

仕事関係の人との食事代が一人当たり5000円以内だと、「会議費」を使い、5000円を超えていると「交際費」を使うという基準です。

これは法人税の交際費課税の話の中で、社外の人との飲食代で一人当たり5000円以下のものは、接待交際目的であっても交際費から除外できる、という取扱いから来ているものです。

仕訳の際、飲食代は交際費か会議費かで悩む時間と精神がもったいないのであれば、原則この基準で割り振って良いと思います。

ちなみに、贈答用のお菓子は、金額にかかわらず「交際費」を使います。

福利厚生費

福利厚生費とは、会社や事業主が従業員の生活の向上や労働意欲向上などを目的に、給与以外のサービスや対価を提供する場合に係った費用を言います。

例えば、現場や事務員さんへのお菓子やドリンクの差し入れ、社内イベントでのケーキなどは、福利厚生費で計上するとよいでしょう。
ただし、福利厚生費は、従業員全員に対して平等に利用する機会が与えられているもので、過度な金額ではないもののみが認められますから、特定の人だけに恩恵があるものではいけません。

ここで、注意していただきたい点が1点あります。
個人事業主の方で、自分ひとりかもしくは家族のみで経営している場合には、福利厚生費は使えません。
そもそも福利厚生を提供する相手方=従業員がいないためです。
この場合、「福利厚生費」という勘定科目自体を一切使わない、と決めておくべきです。
基本的に法人であっても、自分又は家族のみの経営で従業員がいない場合、福利厚生費は使えないと考えておきましょう。

税務調査に備えてレシートにはメモ書きを

日々、業務に追われていると、レシートなどの保管や記帳がたまってしまいがちですよね。

だからと言って、業務に関する経費の計上漏れは勿体ないですし、逆に経費でないものまで計上してしまうといったミスは絶対に良くありません。

税務調査の対策としては、必ず経費になるレシートのみを残すようにします。個人・法人を問わず、特に家事関連費が混在しやすい家族経営の方は注意しましょう。

更に、一か月、一週間前のレシートを見て、どのような用途で購入したのか思い出せないこともよくありますが、購入時には何の目的で購入したものかは分かりますから、その際、例えば「贈答」「手土産」「会議用」「スタッフ用」など、レシートに簡単な一言メモを書いておくと、より一層完璧です。

どんなに優秀な税務調査官であっても、後になって事実確認もできない細かな支出について、ひとつひとつ経費性を判定していくのは困難です。

また、半年前の日付のレシートをみて「このケーキはどこで誰と食べたのですか?」と聞かれて、答えられる経営者の方も多くはないでしょう。
しかし、会議費・交際費・福利厚生費などの決算数値が事業規模などから見て大きければ、科目の明細を見ながら、比較的金額の大きいものや、頻繁に出てくるものなどを中心に、質問や追及が入るかもしれません。

個別に記録につけていくのはとても面倒ですが、きちんとした経費処理をしているという印象を持ってもらいやすくなります。
また、念のため、生活用として除外したレシートも、別の場所に保管しておくと、経費と経費にならないものをきちんと分けていると説明できます。

 

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